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世界の電子タバコ規制状況と電子タバコが歯に与える影響について

2015年から日本でも販売されるようになった「電子タバコ」ですが、従来のたばこと比べたときの人体への安全性についてはまだほとんどわかっていないというのが現状のようです。
今回は、世界の電子タバコ規制の傾向を確認しつつ、電子タバコが歯に与える影響についても考えていきましょう。


電子タバコとは?

まずは、電子タバコと従来のタバコの違いをおさらいしておきましょう。
従来のタバコは「紙巻タバコ」と呼ばれ、タバコ自体に火をつけ燃焼させて煙を吸引するもので使い捨てタイプであるのに対し、電子タバコは、プロピレングリコール、グリセロール、水から成る液体、または乾燥させたタバコ葉を電気で発熱させて霧状化したものを吸引して使います。

それぞれ、ベイプ(Vape)、ベポライザーとよばれ、現在の電子タバコの主流となっているのはベイプです。

現在、日本で販売されている主な電子タバコは2種類あり、フィリップモリスのiQOS(アイコス)と、JT(日本たばこ産業)のPloom TECH(プルーム・テック)です。これらにはどちらもニコチンが含まれています。

そのため、薬事法の規制対象となっており、輸入や販売には厚生労働省の認可が必要となります。もちろん、20歳未満では購入することができません。

ほかに、ニコチンの含まれていないリキッドタイプのベイプが法律上の区分では「雑貨」として販売されていますが、20歳未満の使用が喫煙の入口になるという懸念から大手販売店では未成年への販売を自主規制しています。

ただ、海外で販売されているニコチン入りベイプの個人輸入については、現在までに規制がかかっていないため、日本でも入手することが可能です。


海外における電子タバコの規制状況

日本でも2020年の東京オリンピックに向けて屋外・屋内ともに喫煙への規制が厳しくなりつつありますが、電子タバコの喫煙ルールについては各自治体で見解が異なるのが現状です。
ここで、海外を含めた電子タバコの喫煙規制状況を見てみましょう。


北アメリカ・南アメリカ

北アメリカでは、各州でタバコに対する規制を設けており、ニコチン入りの電子タバコも既存のタバコと同様に規制の対象となっています。
多くの州では、未成年への販売や公共の場での使用を禁止しており、ニューヨーク市ではニコチンを含まない電子タバコについても規制対象となっています。

中央アメリカを見ると、コスタリカでは従来のタバコと同等の規制を受け、公共の場での使用は制限されています。

南アメリカでは、ブラジルが電子タバコの製造・輸入・販売が全面的に禁止で、従来のタバコに関しても公共施設のほかすべての飲食店で喫煙禁止となっています。

ウルグアイやメキシコ、アルゼンチンでも電子タバコは禁止されています。一方、コロンビアでは未成年への販売を禁止するなどの部分規制にとどまっています。


ヨーロッパ

EU全体ではニコチン濃度の上限を20mg/mlと規制するほか、各国で独自の規制を行っていますが、たとえば、スペインではまったく規制をしていない一方でイタリアでは16歳未満への販売が禁止されているなど、対応にはばらつきがあります。

イギリスでは、ブラジル同様、公共施設のほかすべての飲食店で喫煙禁止ですが、20人に1人が電子タバコ(ベイプ)を吸っているといわれています。

東欧は、そもそも喫煙率が高いのですが、電子タバコに対する規制もゆるい傾向が見られます。
フィンランドでは、ベイプ本体とニコチンの含まれていないリキッドの販売・購入が許可されていますし、オーストリアではニコチン入りのリキッドも許可されています。


アフリカ

南アフリカでこそ「ニコチンが含まれていないものに限る」といった部分的な許可制となっているものの、大手のタバコメーカーは先進国の規制強化を受けて、今後の喫煙者増加が見込めるアフリカ圏へとターゲットをシフトさせており、規制を強化したいアフリカ各国の政府と全面的に争う姿勢を見せています。

こういった影響か、アフリカの多くの国で規制が遅れており、喫煙者数は増加傾向にあります。


アジア

中国、韓国、台湾、シンガポールでは全面的に禁止、香港と日本ではニコチンが含まれていないものなど部分的に許可など、国によってばらつきはあるものの、一部でも禁止する国が多いようです。
ただ、台湾では、電子タバコの製造・輸入・販売とも禁止していますが、露天やオンラインでの違法販売が横行しており、簡単に手に入れられるという実態があります。

日本では、ニコチンを含む製品は薬事法で規制されており、20歳未満では購入できません。輸入や販売にも厚生労働省の認可が必要です。

ただし、個人輸入は規制されていないため、日本では販売されていない海外のリキッドタイプの電子タバコを手に入れることも可能です。
また、ニコチンを含まないベイプなどは規制対象となっていません。

喫煙については、屋外の分煙は世界的にも珍しい取り組みのようですが、室内の禁煙状況は世界的にみても遅れており、2020年の東京オリンピックに向けた規制に注目が集まっています。


オセアニア

オセアニアを見てみると、オーストラリア、ニュージーランドでは、ニコチンを含む電子タバコは医薬品として規制対象となっています。

※規制状況は2017年7月現在のものです。


タバコが口腔衛生に与える影響

冒頭でもお伝えしたように、実は電子タバコが人体に与える影響についてはまだほとんど解明されていない状況です。一昔前に騒がれた環境ホルモンのように、いま現在、人間がその身をもって実験されているともいえます。

多くの国で従来のタバコと同じ扱いで規制がなされていますが、それには妥当な理由があるといえます。

一方で、一部では従来のタバコに比べて電子タバコは害が少ないという説が支持されています。その理由としては、煙を吸うわけではないため、発がん性のあるタールを体内に取り込まずに済むからという点が挙げられています。

しかし、ニコチンが含まれていれば依存性は変わらず、ベイプのリキッドに含まれる化学物質や超微粒子の影響については、調査段階にあります。


電子タバコが歯に与える影響とは…?

特に口腔衛生に対してタバコの与える影響について見てみると、ニコチンは、歯周病のリスクを上げてしまいます。
ニコチンには血液を収縮させる働きがあるため、ニコチンを摂取すると体のすみずみにまで酸素や栄養が送られにくくなってしまいます。これが歯を支えている組織にダメージを与えます。

さらに、免疫を低下させてしまう働きを持っているため、歯周病菌の働きを活性化させてしまうのです。
喫煙者は非喫煙者の3倍も歯周病にかかりやすいといわれています。


電子タバコの受動喫煙の害

また、電子タバコを喫煙中、蒸気は空中に拡散していくため、従来のたばこと同様に受動喫煙の害があります。ニコチンを含むベイプであればニコチンが、ニコチンを含まないものであっても、液体に含まれるプロピレングリコール、ジアセチレン、ベンゼンなどの化学物質が拡散します。

これらの物質が高温の蒸気になったときの害についてもまだ解明されていません。


電子タバコの安全性は…?アメリカでは爆発事故も

電子タバコの健康への影響は、ニコチンやタールなどの吸引によるものだけではなく、電子タバコそのものの安全性からも検討する必要がありそうです。

2017年1月には、米国で男性がくわえていた電子タバコが爆発し、歯を失うという事故も起きています。
愛煙家のなかには、より多くの蒸気が出るように改造する人もおり、爆発の危険性を上げているとの指摘もあります。

爆発事故まではいかなくても、ベイプ本体の過加熱によるやけども報告されています。
流行している電子タバコですが、こういったリスクをふまえたうえで利用を検討した方が良いでしょう。